2013年08月03日

新兵器「唐箕」

F-note729.jpg 年末に選別された伝来種のネリマダイコン、その種取りが行なわれた。いままでは悲しいほどすべて手作業であったが・・・。
 今年は強力な助っ人が表れた。唐箕・・・脱穀された穀物を籾と藁クズなどに選別する機械である。その昔、手で回して起こした風の力を借り、軽いものは遠くへ、重いものは手前に落ちる性質を利用して種や籾を選り分ける作業をしていたものらしい。今ではコンバインやハーベスタなどキャタピラーで移動出来る大型のものが良く使われているそうだ。そんな中、今回は種母選定の作業規模に合わせた超小型を、保存事業に携わる篤農家の方が何処からか手に入れて来た、勿論電動である。
 コイツはなかなかの優れもので、見ての通り「種」「種の入った籾」そして残滓と三つのパターンに吹き分ける。若干の混ざり物はあるが今までの様に大型扇風機の前でジョウレンをワッサワッサと振り回すのを考えると、天と地ほどの差がある。瞬く間に莢から選別された種はおよそ1ℓ、今年の秋、これが何万本かのネリマダイコンになる、もう復活から定着へ、だな。
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2013年01月05日

謹賀新年'13

F-note682.jpg 遅まきながら年賀状を作った。毎年、明けてからバタバタと作る事が多いのは、年末から翌年の挨拶など考えもつかないから・・・言い訳です。
 年を経るごとに、お世話になった方々への挨拶という本来の目的から、どうも大幅に外れ始めている。年明けに作る事が影響しているのかとも思うが、自分を鼓舞すると言うか、かんばるぞ〜と自分自身に活を入れる様な文面が多くなりつつある。歳はとりたくないもんだゼ。
 今年の絵柄はネリマダイコン、地元練馬の農家と行政が一つになって取り組んできた完全復活、いよいよ完璧の域にまで達した様である。その偉業にあやかってこちらも完全復活〜と宣言してみた。何からどのように復活したのかイマイチよく分からないが、まっ、そこは気持ちという事でご笑覧頂きたい。
あらためて今年もよろしくお願い致します。
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2012年12月15日

絶世の美女

F-note677.jpg ダイコンネタが続くが、毎年この時期にネリマダイコンの母本選定が行なわれる。いわば純血種の保存継承のための作業、これが中々興味深い。
 何年も前から、いわゆるネリマダイコンの種を蒔き、その中から元祖と呼ぶにふさわしい姿形の形質を継承する者だけを選んで採種を繰り返す。この作業をしつこく繰り返す事で、交雑された形質を極限まで省かれた純血ネリマダイコンが生まれる。いよいよここにきて、ついに極めつけの一本が現れた。
 絶世の美女、ともいうべきネリマダイコンがこれだ。葉は切れ込みが深く丸みが少ない。首はあくまで細く、スラリとしたその玖体は次第に下膨れとなりながら先へと続く。肌は首から尻まで真っ白、青みの入る隙はない。今年採れた最高の美女ダイコンは全長70cmあまりのスレンダー体型であった。関東ローム層の上に堆積した武蔵野の黒土、腐葉土を多く含み地下深く伸びるダイコンを優しく育てる。練馬で育つべくして生まれた根深ダイコンの元祖である。
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2012年12月10日

タクアン漬開始

F-note676.jpg 今年もこんな時期になってしまった。ついこの前まで残暑に根を上げていたのに、もうネリマダイコンの漬込みである。
 例によって朝の収穫で区画に出かけた。色々あったが帳尻の合いつつある秋冬野菜、白菜の方は見ないふりして収穫を続けていたのだが、農園の端から園主さんが一輪車に大量のダイコンを大事そうに積んで戻ってきたのに出くわした。なんと、伝説のネリマダイコンではないか(笑) ここのところ、行政との連係プレイですっかり復活しつつある純粋ネリマダイコン、恒例のタクアン漬け開始である。
 右端に見える高速洗浄機できれいに洗われたダイコンは、数日のあいだ天日干しされ糠と塩でタクアン漬けに生まれ変わる。この時期に水仕事は大変だと思うが、こんなダイコン専用洗浄機があるくらいだ、存外あちこちでこの作業も再開され始めたに違いない。生産だけでなく加工もそれなりに軌道に乗り始めているのを感じる。美味いタクアン漬けの復活ももうすぐだ。食べ物を作るって、なんと楽しい・・・(爆)
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2012年05月14日

ダイコン花畑

F-note616.jpg 本格復活を成し遂げたネリマダイコン、採種用のハウス内は今まさに花爛漫、蒸せるような花の香りである。
 何度か採種用の株と花は見て来たが、これほど見事な花畑は初めてだ。この規模で何件かの農家が採種を目指す今年、ネリマダイコンは、単なる復活から全面展開へと新たなステージへ入ったようだ。
 こうなると、もう何粒採れたというようなレベルではなくなる。何千本のダイコンが採れるか、何反の植え付けが出来るか、などと一気にスケールアップするはずで、商業ベースへの展開も見えてくる数量である。とはいえ、商品化にはまだ様々なハードルがある。まっ、出荷するにも加工するにも最低限の量は確保出来た訳であるから、タクアン漬け以外、何か復活をアピール出来るアイデアがあれば・・・というところか。
 幻の地場野菜ネリマダイコンは有名なだけに、次の展開を楽しめるかどうかがポイントかな。もちろん農家は存分に楽しんでいるようなので、その点は心配していないが(笑)
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2012年04月18日

箱入娘の開花2

F-note609.jpg 大根ネタが続くが、これも伝統野菜の雄、ネリマダイコンである。専用のハウスでヌクヌクと育てられた種取り用の娘達、純白の花が満開だ。
 長年の選別を経てほぼ純粋種に返り咲いたネリマダイコン、参加農家の苦労も並大抵ではないと想像するが、どうも全員実に楽しそうなところが、妙に引っかかる(笑) お付き合いしてる方も何だかワクワクしてくるのは、たぶんそのせいにちがいない。名人と呼ばれる年長者、復活の実務を担当する壮年層、それをサポートする行政の担当者と農協の職員達、これだけ駒が揃えばうまくいかない訳がないではないか。
 楽しみながら・・・言い方を変えるなら、遊びながらといっても良いが、皆で成果を共有しながら、一歩一歩前に進んできたのである。その大きな結晶がこの純白の花、咲き誇っているのは単にダイコンの花ではなく、参加者全員の熱い思いと人生を楽しむ気持ち、かな。
 その輪を記録できる幸せは、何物にも代え難い。
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2012年03月30日

箱入娘の開花

F-note603.jpg 新展開を迎えたネリマダイコンの完全復活計画、専用のビニールハウスにもやっと春の恩恵がやって来た。
 今年から本格的な採種が始まった純粋ネリマダイコン、それ専用のハウス内にも動きが出始めている。小さなままで無事冬越し、ここのところの温かさでグッと大きくなり始めた箱入り娘達。いわゆるダイコンの部分が成長する間もなく春を迎えたため、気温の上昇と共に一気にトウ立ちし始め、花芽もチラホラと見え始めている。ダイコンの成っていないダイコンなんて、ただの菜の花にしか見えないが、花の色は「白」これは大きく違う。
 ダイコンはネリマに限らず他種と交配しやすいらしく、同じ形質を保つ為には受粉に気をつけなければならない。このハウスも換気用の開口部には花粉よけの目の細かいネットが張られ、うっかり咲いてしまった他種の花粉侵入を防いでいる。箱入り娘もいかばかりという過保護な防御である。たかがダイコンというなかれ、純粋を保つのはかくも大変なのである。親の苦労が偲ばれる(笑)
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2011年12月28日

ハウスが出来た!

F-note574.jpg ついに始まった、正統派ネリマダイコンの大復活計画、細々と繋いで来た継承作業に、行政が本気で腰を上げたのだ。
 練馬の一部篤農家達によって、現在まで作り続けられて来た純血ネリマダイコンだが、ここに来て行政も本気のサポートを始めた。多くは補助金と言う形でしか表に出てこないが、区の担当者は収穫や選別作業の場に足繁く通いつめた。その昔、ネリマダイコン作りの名人といわれた生産者や、これから本格的に参加の意思を表明した若い生産者などに、直接会って話を聞き何が必要かをしっかりと見極めている。ただのバラマキ補助とは訳が違う。これこそ本当の意味で、血の通った行政と言える、存外ネリマ区もやるもんだ。
 手始めがこれだ、区内一等畑地、日当り良好、通気最高、異種交配予防設備完備・・・要するに、ネリマダイコン専用ビニールハウスである。春にはこの中でダイコンの花が満開になる、腕が鳴るゼ。
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2011年12月16日

今年の美女たち

F-note570.jpg ことしも練馬大根の母を決める選考会に参加させて頂いた。何百本ものモデルから姿形が原種に近いものだけを選び出す。毎年の恒例である。
 何年もかけ、交配の進んでしまったダイコンから、出来るだけ純粋なネリマダイコンの「血」を継承させる。気の遠くなるような作業を、心意気だけで続けている生産農家の皆さんには頭がさがる。篤農家という言葉があるが、受けた印象はちょっと違う。研究熱心な事は間違いないが、このネリマダイコンに関してはみなさん楽しんでいるように見受けられる。伝統を守るとか、先祖に申し訳ないとかではない、まず自らが楽しむ、これが長続きする秘訣かなとも思う。野次馬の怪カメはその想いにぶら下がり目一杯楽しませて頂いている、これは間違いない。
 また、今年はこれとは別に、母になる種を大量に生産する為の仕組みも整った。行政もなかなかやるもんだ、手助けに遅すぎると言う事はない。おかげで野次馬怪カメも、今年一年はたっぷり楽しめそうである。
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2011年08月09日

純ネリマダイコンへ

F-note536.jpg 練馬区、地元有志農家によるネリマダイコンの保存事業の一環で、純粋種に近づけるための種作り現場にお邪魔した。
 昨年栽培されたネリマダイコンから形質の優れたものを選りすぐり、その後トウダチさせ種を作らせる。その優秀な遺伝形質をもつ種だけを次世代に繋ぐ為、何年にもわたり繰り返された採種だ。いままで細々と受け継がれて来た純粋化の事業を、近年行政も支援に乗り出し、本格化する為の大切な、まさに「種」になるはずである。
 とはいえ、現場はいたって家内制手工業の域を出ていない。トウダチし、枯れ果てた莢入りの種達、こいつを枯れ枝から手でちぎり、まとめてから袋にいれ,空瓶でたたく。なんというか、日本に冠たるネリマダイコンも、意外な程危うい状況だったのが推し量れる。しかし、今年から新しく造種の為のハウスも完成し、一気に収量を増やす手はずになっている。この「種」がその源になるのだ。
Photo:風で莢のからを飛ばし,種だけを選り分ける。
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2010年12月15日

美人系ネリマ

F-note435.jpg 今年のネリマダイコン再生事業の出来具合だ。おもわず「どうだ!」といたくなるほどのそろい踏み、とはいっても私が作った訳じゃないのだが・・。
 ここまで五年も掛かったそうである。ごく普通に種を撒けば、おなじようなダイコンが軒並み出来るのかと言えば、そうでもないらしい。ダイコンは交配しやすく、青首やら三浦やら風や虫達に運ばれた花粉で、雑種が簡単に出来てしまうのだ。去年あたりでも、青首に似た形質のダイコンがだいぶん混ざっていた。そういう中から選択に選択を重ね、ここまで来たのである。見事に揃った美人ネリマダイコン、未来への遺産である。
この超美人ダイコンは、来年の採種用に再度畑に戻され、トウダチを待つ。一株二千粒ほどの種が採れるので、来年はこの超美人系ネリマダイコンが一万数千本は誕生するはずである。江戸野菜の代表格も、やっとここに来て先の見える状況になって来たかな。雨のなか、参加したかいがあったというもんだ。
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2010年09月13日

練馬ダイコン五千本

F-note376.jpg ネリマダイコン純血種への回帰栽培、今年の採種量が最終的に分かったようだ。分かったといっても一粒一粒数える訳にいかないので、あくまでおおよそ、である。
 種ダイコン、が正しい言い方か定かじゃないが、厳選され元になった12本のダイコンから6〜7dl(デシリットル)、およそ20000粒以上の種が採れたそうである。ダイコンにして5000本以上の植え付けが、今期可能になるのだ。それも、かなり昔のネリマダイコンに近い形質まで復帰しているので、本格復帰の収穫はかなり期待出来そうだ。区と練馬区の一部有志農家が、今年から本腰を入れ区民自ら栽培するネリマダイコンを目指して、完全復活のノロシを上げたのである。
 聞く所によると、その昔、やっぱり異常気象、高温、干ばつで病害虫大発生が起こり、ネリマダイコン衰退の大きな原因になったらしい。その事を考えるとこの夏のダイコン復活は意義深く興味深い。おっと、そんな事より自区画の青首もボチボチ完全復活しなければ。
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2010年07月21日

純血の一粒

F-note342.jpg 六月に実を結んだネリマダイコンの花、ここにきてスッカリ完熟し、採種されることになった。全て手作業である。
 莢のデコボコの大きさに比べ、記憶にあるダイコンの種はかなり小さい。だから一つに一粒とは思いもしなかったが、今考えると自然の流れとしてコブ一つに複数の種など入っている訳もなく、まして大豆のような大きさのダイコンの種など聞いたこともない。割ってみて初めて知る生命の神秘、ちょっと大げさか。
 なるほど、かなり厚めの多孔質の皮で守られているようだ。これで大きさの割に軽く感じるのかもしれない。成熟中は厚めの防御壁になるし、完熟後は比重が軽くなり、水にも浮いたりして遠くへ運ばれやすいのかもしれない。胸を張って言う、完全な素人考えである。
 この後、カラカラに乾燥して軽くなった殻を吹き飛ばし種だけを選別するが、純血の一粒も殻から出るとただのダイコンの種、である。
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2010年06月09日

ネリマの純血

F-note309.jpg 通い続けている愛しい人におめでたの兆候、といってもダイコンの話。採種用の練馬ダイコンに種が成りはじめた。
 思いのほか大量の花をつけることに驚いた。数本の株から草むらのようにてんこ盛りに茂っている。あたりにはなにやら微妙な薫り、悪い匂いではないが「栗の花の薫り」といえば男性諸兄にはお分かりいただけるか、動物も植物も似たり寄ったりである。
 豆の莢(サヤと言っていいのか?)のような中に種が入っているようなのだが、ボコボコと分かれた外観は、一つのものがあったり写真のように数個に分かれているものまで様々だ。一つだから一個の種、という訳ではないであろう。ダイコンの種はもう少し小さい。中の様子は完熟してからのお楽しみである。
 他品種との交配を避けるため、ハウス内で厳重に管理されたお嬢様ダイコンは、練馬ダイコンの純血を次世代に受け継ぐための貴重な一粒となる。
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2010年03月22日

秘めた色気

F-note251.jpg 練馬ダイコンの蕾が膨らみはじめた。咲く前の薄紫色が徐々に抜けはじめ、薄化粧ほどに花弁の端に痕跡を残す。少女の色気は内に秘め、大人の階段を上りはじめたのか。
 というわけで練馬ダイコンの花、カメラに収めてきた。まだまだ満開とはいかないが伸ばしたトウの先にたくさんの蕾が鈴なりになっている。いくつか咲き始めの中から姿形の良いモノをモデルに選ぶ。周りの何株かが今年の練馬ダイコンの大多数を占めるかと思うと、足先の配置に緊張する。また、よく耕された畑は土が柔らかく、気を抜くと三脚の先が沈んでしまう。この対策も重要だ。
 光の方向を見極め、大雑把に三脚で位置決めの後、エレベーターと自由雲台で収まりの良い絵柄にして行く。決まったら小型のレフで若干の演出、イメージの確認、悪くない。シャッター反押しでフォーカスを送り、マニュアルで修正後ゆっくりと残りを押し込む。秘めた色気を閉じ込めることが出来たかな?

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2010年03月15日

少女の色っぽさ

F-note248.jpg 国民の義務、納税。本日無事に確定申告書の提出を終えた。毎年、このハードルを越えねば畑にたどり着かない。これで心おきなく邁進できるというもんだ。
 とはいえ、我がiga3farmはまだ開園していない。手持ち無沙汰ついでに愛しの人に会いに行くことにした。もうそろそろ麗しく開花しているに違いない。
 練馬ダイコンの花、復活のための採種を行っているビニールハウスにお邪魔して、ワクワクする気持ちを抑えつつ覗き込む。う〜ん、まだまだだね、一個だけ膨らみかけているつぼみを眺めて、一週間はかかるようだと実感する。満開にはほど遠いが咲く前の方が色が濃いことに気づいた。上品な紫色がポイントだ。咲くほどに薄くなり、最後は白一色と言ってもいいほどに色が抜ける。みごとに咲き誇る様は可憐だが、今まさに咲かんとする姿は意外に色っぽい。これぞ少女の色気?。
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2010年03月03日

練馬ダイコンその後

F-note243.jpg 以前、練馬ダイコン復活の取り組み現場にお邪魔させて頂いたことがあるが、その後の動きを追ってみた。
 昔ながらの形質をより良く残す逸品を種ダイコンとし、いわゆるトウダチさせ、花を咲かせ種を採るのだ。他品種との交配を避けるために、大きなビニールハウスのなかにひっそりと植えられている種ダイコンは、自ら春を感じ花を咲かせる準備を始めていた。
 普段、畑ではこう言う風にならないよう気をつけているのだが、種を沢山取るために花心をつんでワキ芽までだし、大量の花をつけるようにする。こうして見るとなかなかきれいな花擂(?)である。こうなると本体はもう筋っぽくて食べられたもんじゃないと心配だが、その必要もないか? とにかくサンデーファーマーには見てはいけないものを見てる気がするのだ。自区画で起こらないよう肝に銘じつつ、本来の輪廻をしっかりと記録しておく。
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2009年12月17日

新・練馬ダイコン

F-note199.jpg B級映画のタイトルのようになったが、練馬ダイコン新展開である。ごくごく普通に栽培されたこのダイコンが、あのタクアン漬けになると最近知ったのであるが、このダイコン、なかなか複雑な履歴の持ち主らしい。
 ぶっちゃけ、このダイコンは一度絶滅の危機に瀕している。バイラス病や漬け物の需要低下、また栽培に手間がかかるなど、新しい品種にその座を奪われてしまったのだ。しかし、ここに来て身土不二の考え方や地場野菜を見直す動きから、またも注目されつつある。
 その動きに呼応したように練馬ダイコン復活をかけた新たな試みに出会った。大量の栽培ダイコンから昔ながらの形質を顕著に残したものを抽出し、毎年これを繰り返すことで純粋な練馬ダイコンに近づけてゆく。気の遠くなる様な作業だ。
 今日はその現場に立ち会うことが出来た、曰く、色あくまで白く、下膨れの形質で首は細く、一切の青みは認められない・・・なるほど練馬ダイコン足の女性はおそらく美人に違いない。
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2009年12月13日

続々・練馬ダイコン

F-note196.jpg 園主さんがイタズラっぽい目つきで手招きをする。なっ、何事かといぶかしみつつ指差す方を見てみると・・・これだ、ふだんからまじめのカタマリの様な人がが口元を押さえながら笑っている。ダイコンにも驚いたが意外な面を見せてくれた園主さんにも驚いた。お色気話は万国共通言語だ。
 何本も収穫する中にはこんなものも混じっていて,笑えるが出荷は出来ない。この辺が自家用と生業の分かれ目かもしれない。自家用は二股万歳、収量二倍だ!・・とはいいつつも、抜いたとたん、がっくりするのはなぜだろう。分かっちゃいるが、なかなか微妙な男心、である。ともかくプロでもこういうことはある、というお話。ちなみにペアのダイコンもあったが、リアルなので割愛、残念だ。
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2009年12月11日

続・練馬ダイコン

F-note195.jpg 昨日洗われたダイコンは、雨にもかかわらず、というか雨なので? ハウスの中で見事にハザガケされていた。
 当農園の園主さんは今期百本ちょっとを干し上げてタクアンに仕込むそうだ。お話を伺っていると、自家消費や商品としてではなく、練馬ダイコンの栽培も含めた技術保存が目的のように感じられる。もちろん一部は庭先販売や自家用にもまわるのであろうが。
 お仲間の中には行政から委託を受け、相当量の栽培、付け込みまでを請け負っている方もいらっしゃるようだ。また、その一部は小学校の農業体験授業として組み込まれたりと、都市農業ならではの興味深い現象である。たかだかダイコン一本抜くだけなのに、大騒ぎして目を輝かせている児童たちの表情が、とても印象的であった。
 それにくらべダイコンだろうがほうれん草であろうが、最後は呑む事にしか関連づけない自分が・・・情けない。
posted by 怪カメ at 16:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ネリマダイコン