
その昔、大判カメラのアオリ機構を使って画面変形のテクニックを学んだことがある。建築物のパースによる変形をなくしたり、商品撮影の全ピンアオリ、鏡などの反射面を正面から自分を写さないよう撮る技術等々であるが、どれも理屈がありなるほどと理解出来る。しかしこいつが今、指風琴を自在に使う障害になっている。
カメラを被写体に向けると同時に何処にピント面を回転させようとか、ここはボカしちゃおうとか考えてしまう。それはそれで必要なのだが、自在に動くレンズが勝手に描き出した不思議な世界観、コイツと出逢うのを邪魔しているように思う。もっと本能のままにピントのズレを楽しめれば良いのだが、長年培って来た「狙う」目が目標にピントを合わせろと言って聞かないのだ。
狙わない写真・・・そんなものがあるのかな? いっそ歪めたまま光軸を固定しちゃうか(爆)